副社長のイジワルな溺愛

 幸田は、そうやって今まで何人も手にかけてきたんだよ。
 最初は数名で行くって誘っておいて、当日は二人きり。優しいし話も上手いから、楽しく過ごしているうちに、酔った相手を持ち帰る……。
 今どき流行らない方法で、女子社員を数人泣かしてきたんだから。


「……もういいです。今日は先に寝ます」

 片付けを終えた彼女が、不機嫌なまま寝支度を整えるためにリビングを出て行った。


 俺が悪いのはわかってる。
 でも、社内の第三者に聞かせれば、他に誘っているメンバーに確認した方がいいと言うだろう。だけど、茉夏は誘いを疑いもせずに受けようとしているのだ。


 止めても、きっと言うことは聞かない。
 それに、彼女が楽しみにしている気持ちがわからないでもない。

 ただ、相手が悪すぎる。
 ――俺のヤキモチがそうさせているだけなのかもしれないけど。


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