副社長のイジワルな溺愛
銀座で何が待っているのかとあらゆる可能性を考えてみる。
私に気を使った服装をしてくるように言ったのは、行先が銀座だからだろうと理解はできたけれど、彼の言動は想像を超えてしまっていて、何も浮かばなかった。
「その交差点を入ったところで停めてください」
副社長に指示された場所でハイヤーが停車すると、お釣りはいらないと言って彼が先に出て、私も続いた。
昨日の記憶がよみがえる。
もう少し遅い時間だったから、ネオンが煌びやかで行き交う人も陽気だったくらいで、やっぱり私みたいなタイプが来る場所ではない。
「腹減っただろう」
「はい」
「鮨でいいか」
「え、あ、はい……」
まさか食事の誘いだったとは思いもせず、唖然としながらも彼の背中を追った。