副社長のイジワルな溺愛
「俺、ここのかき氷が一番好きなんだよ」
「そうなんですね。覚えておきます」
私に向けられたはずの満足げな微笑みは、居合わせた群衆の女性までも射抜いてしまったようで、周りがざわめく。
社内でも一番人気があって、モデル並みの容姿を持つ彼に感嘆してしまうのは仕方ない。
でも、慧さんは私の大切な人で、私と幸せな未来を築く約束をしてくれているのに……。
――あぁ、また妬いてしまう気持ちが止められない。笑顔の裏に秘めたヤキモチと独占欲は、時が進むほど募っていきそうだ。
途中の屋台でたこ焼きや串焼きを買って、まとめ入れたビニール袋を傍らに置く。
この花火大会には毎年御門建設も協賛していて、彼は区切られたエリアの入口で関係者に名刺を渡すと、特別招待席まで私を連れてきてくれた。
レジャーシートを敷いて場所取りをしなくても、用意された背の低いテーブルと椅子が並んでいて快適だ。