副社長のイジワルな溺愛
注文も副社長に任せ、出されたお茶をひたすら飲むこと数分。
「お待たせいたしました。鮨懐石でございます。順にお持ちしますので、どうぞお楽しみください」
「ありがとうございます。帰りに握りを十人前持っていきたいのですが可能ですか」
「かしこまりました。ご用意いたします」
丁寧に指を突いた女将が下がった。
「……食べないのか?」
「いただきます」
見るからに高級な突出と刺身に目が泳ぐ。だけど、空腹の誘惑には耐えられず箸をつけた。
「んー!! 美味しいっ!!」
「そうか、それはよかった」
あまりの美味しさに目を丸くして感動する私と、いつもと変わらない冷静な反応の副社長。
温度差を感じつつも、私は鯵や穴子に舌鼓を打った。