副社長のイジワルな溺愛
そんなことを聞いてどうするんだって、自分でも思うのに止められない。
茉夏の気を引こうとしなくたって、俺たちは恋人同士で結婚だって考えてる。
誰かと比べる必要なんてないのは分かっていても……。
「永井社長と話してるお前、すごく嬉しそうだったよ」
――格好悪い。こんな男になりたくもないのに、嫉妬に炎が点いたらもう止められなくなるんだ。
「もうやめてくださいっ!!」
思い切り振り返って、俺の腕を解いた彼女は涙をこぼして俺を見つめている。
「私は、慧さんだから好きになったんです。分かってくれてないなら、もういいです!」
リビングを出て、部屋着を置いている彼女の部屋に向かうその後を追うことすらできない。
間を置かず、無意識で出ていたのは深いため息。
そして、根を張った嫉妬心に改めて気づかされて、自分がどうにかしてしまったのかとさえ思える。
初めて見た彼女の怒りに圧倒されているのかもしれないと気付いたのは、その後だ。