副社長のイジワルな溺愛

 シャワーを済ませた彼女は、おやすみも言わずに自室に入ってしまった。
 一緒に眠る前に謝れたらいいと思っていたから、完全にタイミングを失ってしまって、今夜中の修復は無理かと諦め、俺はロックグラスにウイスキーを少量注いで、ゆっくり飲み干した。



「おやすみ」

 鍵まで締められてしまった、彼女の部屋の前で就寝を告げる。
 もちろん返事なんて期待していないし、一週間働いた後だから疲れて眠っているだろう。


 シャワーを浴びて、寝支度を整えて自室へ入る。
 本来なら隣に彼女が横たわっていて、キスをして……。


「あー……なにやってんだ、俺は」

 それで、何を考えているんだ。
 喧嘩しているというのに、抱きたかったと欲がよぎって戒める。


 明日、起きたら謝ろう。
 明らかに俺が悪かったし、彼女の気分を害してしまったのだから。


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