副社長のイジワルな溺愛
翌朝、九時を数分過ぎた頃に自然と目が覚めて、ベッドから出る。
部屋着のままリビングに出たら、まだ彼女の姿はない。
疲れて深く眠っているのかと、彼女の部屋を覗いたけれど姿はなかった。
「茉夏?」
家じゅうを探し回りながら名を呼んでも、返事はない。
いつもみたいに微笑みつきの返事じゃなくてもいいから、所在を知りたいのに。
さすがに焦って、急いで身支度を整える。
彼女ならこういう時にどうするのかと考えてみるけれど、あまり喧嘩をすることがなかったせいでヒントが浮かばなかった。
【おはよう。どこにいるの?】
それだけをメッセージで送って、俺は車のキーを手に家を出た。