副社長のイジワルな溺愛

 通された大きなソファ席には、顔を合わせたことのないスーツ姿が五人いる。
 全員、うちの社章を襟元から外しているけれど、副社長がやってくるなり立ち上がって一礼した。


「お疲れさまです」
「待たせて悪かったね。今夜は楽しく過ごしてくれたらいいよ」

 副社長がソファの真ん中に座り、隣には昨日声をかけてくれた女性が腰を下ろそうとしている。


「悪いけど、今夜はうちの社員をもてなしてくれ」
「かしこまりました」

 素直に身を引いて、他の社員の隣に座った彼女は、私に冷たい視線を一瞬だけ向けた気がした。


「私がお隣でいいのでしょうか」
「……必要があってそうしている」

 初めて来た世界に落ち着きなんて取り戻せるはずもなく、私は飾られている調度品や綺麗な女性たちに目を奪われていた。


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