副社長のイジワルな溺愛
「失礼いたします」
「……どうした?」
書類を手にしていた副社長は眼鏡をかけていて、今まで見てきた雰囲気と違っている。私は一礼してから彼のデスクに領収書を置いた。
「また領収書か」
「お手数をおかけして申し訳ないのですが、割印の陰影が薄いので再押印いただけないでしょうか」
「……これでいいか?」
「大丈夫です。ありがとうございました」
くっきりと押された『御門慧』の印を確認して、去ろうと身体を反転させた。
「待て」
「……はい?」
引き止められて顔を戻すと、眼鏡を外して私を見つめる副社長と目が合った。