深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~


「…うっ……」


さらに数歩、進むと
異臭はかなりきつくなってくる。


これは臭いの原因が近づいてきている
証拠で。


耐えられなくなり持っていたハンカチで
莉香と同じように鼻を塞ぐ。


進みたくない……


この先に見てはいけないものがあるのは
私の本能が訴えている。


進むな……進むな…って。


危険信号を発している脳と裏腹に
足は恢斗達を追ってふらふらと進んでいく。


莉香はもう目を真っ赤にしながら
ぎゅっと私の手を握ってくる。


それを握り返し、1歩、また1歩と
近づいていく……


そうして、私達の目には
遠くにいる2人の姿が映った。


追いつけて、安心したのは一瞬で
私は2人の様子に足を止めてしまった。


2人は、動いていなかった。


莉香も立ち止まり
目を潤ませて嫌、嫌、と頭を振る。


2人の視線はなにかを捉えていて……
距離があるためよく見えないが


その奥にはなにか恐ろしいモノが
潜んでる気がして……


静かなトンネル内に次の瞬間響き渡ったのは


「……っ…!」


恢斗の横に並んだ智弘の
声にならない悲鳴だった。

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