深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
恢斗はまだ前を向いたまま
微動だにしない。
でも智弘は私達を必死に止めるべく
前を塞ごうと…私と莉香の視界を塞ごうと
両手を広げる。
しかし十分な距離まで近づいてしまった
私達には無駄な事で。
ソレが目に入るのを
智弘は止めることはできなかった。
私達はほぼ同時に足を止め
恢斗達の前にあった……
“大きいカタマリ”を呆然と
見つめる。
すーっと回りの音が消えた。
「澪夜…莉香…」
なんて私達を呼ぶ智弘の声もどこか遠くで
響いている。
無音の空間の中ハッキリと
見えてしまったソレは
瞬きのうちに
私の正気を奪っていく。
目を逸らしたくても逸らせない。
見たくないのにソレは
私と莉香の目に焼き付いてしまって。
「あ……」
喉の奥から無意識に言葉が漏れる。
まさしくそれは
夏祭りでよく飲むラムネの蓋が
取れた時のようだ。
1度声の蓋を開けると
そこからどんどん
溢れていく音。
「や……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」