深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
洗面所に立ち蛇口を開くと
流れ出る水を手ですくい顔にかける。
涙が洗い流されていく。
冷たい水はとても気持ちが良かった。
パシャ、パシャ
数回顔に掛けると近くに置いてある
タオルで顔を拭く。
気持ちは晴れないけど
なんだかすっきりした。
「ふうっ…」
無防備に目を開き顔を上げた私の目に
正面に佇む鏡が映る。
何気なく目にした鏡を見て
心臓を誰かに鷲掴みにされたかのように
すうっと冷たくなった。
「え……?」
おかしい。嘘、嘘。
映しているのは私の顔。でも端っこに…
「ひぃっ…!!」
赤い、ワンピース。
裂けんばかりに口を広げてにたぁ、と
笑みを浮かべる少女と目が合った。
合うはずがないのに
鏡に映るその瞳は私をしっかり捉えていた。