深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
俯くその媛乃の口元は
ほんの少し震えていて
女子達に囲まれながら
逃げ場のない檻に閉じ込められた小さな虫
のように
ただ黙って、暴言を受けているだけだった。
「いつもいつもあたし達の事
いらつかせてさあ…ふざけんなよ!」
媛乃の胸ぐらを掴み思いっきりその頬を
殴る女子。
パァン、と乾いた音がして媛乃が
頬を押さえて座り込んだ。
私と媛乃は同じクラスだったし
ずっと一緒にいたつもりだったから
まさか同級生の女子にこんな
仕打ちを受けているなんて知らなかった。
彼女達は「いつも」と言ってたから
媛乃がなにをしたかは置いといて
定期的にこの光景は繰り返されていたと
いう事だ。
媛乃は、いじめに遭っていたの?
全然、気づかなかった。
媛乃がこんな所で苦しんでいたなんて。
私は、親友なのに。
「ひめっ…」
助けに入ろうとした私だけど
「てめえまじ殺……っ、?
う、あ……ぁ」
媛乃に歩み寄り拳を掲げた1人の女子の
突然の呻き声が止めさせた。