深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
手をつけられず
ただディスプレイを見つめ続ける私。
だけど、何故か
出ないといけない気がした。
「……もしもし」
恐る恐る電話を取り
耳に当てる。
…変な事は言えない。
きっと媛乃が監視している。
澪夜にこの事を話したり
ちょっとでも仲良さげに話したら
次の瞬間に私は命を奪われるだろう。
油断はできない。
気を引き締めて次に来る
澪夜の言葉に身構えた。
『あっ…り、莉香!?』
私が出たことに安堵したのか
少し慌てている澪夜の声。
ふ、と笑みをこぼしそうになり
踏みとどまり冷静に澪夜に返事をした。
「用がないなら切るわよ?」
『あ…ううん!あのね…
やっぱり、ちゃんと話してほしいの』
「だから関係ないって言ってるでしょ?
余計な事に首…突っ込まないでよ…」
思っている事と真逆の事を
言い続ける。
媛乃や澪夜に、悟られてはいけない。
私は澪夜を裏切るの。