深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
恢斗を先頭にその次が柚姫と智弘、
そして最後に私と莉香…。
黙々と真っ暗なトンネルを進んでいく私達。
『幽霊トンネル』って名前だし
もう夜中だ。
日も沈んでるからひんやりとしているのかと
思ってたけど……
予想に反して
むしろかなり蒸し暑かった。
あーあ…
もう少し薄着で来ればよかったな……
「これ、奥までどのくらいかかるのかなぁ…?」
「うーん……トンネルだし、そんなに長くはないはずなんだけどね……」
柚姫の質問に答えた私は、
ちらっとその横にいる智弘に
目を向ける。
「おい柚姫、歩くの遅いぞ~」
「うるさいなっ智弘君だって遅いよ!」
2人とも、仲いいんだ…な…。
言葉を交わし合う2人を見て、
軽く胸を痛めるけど
それ以上に2人は私にとっての目標だ。
私もいつか、柚姫みたいに
智弘と笑い合ったり…
柚姫を追い越して、智弘と
恋人になってみたりしたい。
誰にも気づかれないように
拳を手で作って胸に当てた。