深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
「…なんてね、冗談ですよ。さぁ、
行きましょう。まだまだ長そうですよ」
再び恢斗は歩き出す。
皆も釣られて足を動かした。
…誰も、なにも言わなかった。
ううん。言えなかったんだろうな。
これが恐怖。
皆そんなわけないって思ってるのに
否定出来ないんだから……。
「……足音が響きますね」
「……え?」
またしても
恢斗がふと発した言葉に思わず聞き返す私。
柚姫も口を開いた。
「あ…ほんとだ。足音が響く……こんな響いてたっけ?」
恢斗だけならまだしも柚姫まで……
今する話じゃないような気がするけど
一応耳を澄ましてみる。
コツ……コツ……コツ……コツ……
あ、ほんとだ。
一定のリズムを刻んで聞こえてくる足音。
こんな響くものなんだ……
ほんとに大きく響いたものだから驚いて
恢斗に思わず声をかけた。
「へぇ~ほんとだ!なんか面白……」
「……静かに…!」