深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
………が、それは恢斗の静かな
叫び声に掻き消された。
…え?
突然の恢斗の大声に
驚いたのは私だけではなく
みんな思わず立ち止まり恢斗を
見つめた。
「…どうした?恢斗」
智弘の問いに恢斗は
ただ事ではないような
青ざめた顔をして答えた。
「皆さん……もう1度耳を澄ませてみて下さい……」
「え?」
なにを言い出すのかと思えば……
柚姫と莉香は一瞬不思議そうな顔をしたが、
それに従って耳を澄ます。
コツ……コツ……コツ……コツ……
……!?
「恢斗?私達の足音が聞こえてるだけよ?」
数秒の沈黙のあと耳に届いたのは
莉香の声。
…ちがう……
歯と歯がかちかちと音を鳴らした。