深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
違うよ、莉香……
「や、やだ……うそ…うそ…」
柚姫も蒼白の顔で震える。
…莉香は気づいてないんだ。
“今の私達の状態に”。
「莉香さん……私達の足音が聞こえるはずありませんよ……
だって貴方達は先ほど私に釣られて
その足を止めたではありませんか…」
…そう。恢斗の叫び声に驚いて足を止めたんだ。
「え………?…あっ!」
莉香はトンネルの方に興味がいっていて
足を止めたことに自分でも気づかなかったのだろうか。
周りを見渡すと
智弘も柚姫も信じられないといった
表情をしていた。
コツ…コツコツコツ…
再び聞こえるはずのない足音が響く。
さっきより大きく響く謎の足音。
気のせいか早くなっていて。
「み、みんな……」
智弘が震える口を開く。
コツ…コツコツ…コツコツコツ
「逃げろぉぉおおぉぉっ!」