深夜零時の呪い~止まらない負の連鎖~
「………ッッ!!」
智弘の声に弾かれたように走り出す私達。
なに……なんなの!?
「…最初からやたら足音が遠くから聞こえてるような気がしたと思ったら…!」
ちっと舌打ちをし、
忌々しげに吐き捨てた恢斗。
「このままだと行き止まりだぞ!」
智弘の切羽詰まったような声。
「どっちみち後ろには行けないじゃない!」
無我夢中でトンネルを駆け抜けていく私達。
「はぁ…はぁっ」
数分くらい走っただろう。
皆の体力は限界に近づいていた。
「も、もう無理…」
運動があまり得意ではないと言っていた柚姫は、へなへなと座り込んだ。
「足音は…もう聞こえないわね」
釣られて立ち止まり、莉香が息を整えなが言ったら。
あの足音…っ
いったいあの足音はなんなの?
人なのかそれとも……
「……っ」
背筋が冷たくなったのがわかった。
…人であってほしい。と願った。
「ずいぶん奥まで来てしまいましたね。
足音も消えましたし、そろそろ引き返さないとまずいです」
息を荒らげて恢斗が言った。
「時間はっ…」
慌てて時間を確認すると、
液晶には11:51の文字。
「まだ大丈夫そうだけど、
恢斗の言った通り急いだ方がいいよ!」