one’s life~吉木野乃花の人生、全四話~
…また、幻覚を見ているのだろうか?


ぼーっと見つめ続けていると、あちらも何かに気づいたように驚いた表情をしている。


次第に近づいてきて、「野乃花」と私の名前を呼んだ。


「…つばさ、くん?」


「ああ」


「背、伸びたね」


「野乃花は、痩せたな」


「ほんと?じゃあダイエット成功かな?」


信じられなくて、夢見心地で言葉を交わしている。


微笑む私に対して、翼くんは顔をしかめていた。


「野乃花、ごめん。俺、あの時親に部屋に閉じ込められてて、いや、抜け出そうと思えば抜け出せたんだ。でも、気持ちの整理とかできてなくて…」


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