誰も知らない彼女
なにかはわからないけど、なにかが起こったのは事実だ。
もうひとつグラスを取り、そこに氷を何個か入れたあとにメロンソーダを入れる。
由良のほうに目を向けるが、トングを持ったまま硬直している。
「……由良、どうしたの?」
顔を覗かせて由良の表情を見てみる。
でも、その前に由良がバッと顔をあげて、涙目でこちらを見つめた。
「抹里……抹里ぃ……」
ひたすら私の名前を呼んだあと、由良はその場にしゃがみ込んだ。
それと同時に氷を掴んでいたトングが由良の手から落ち、氷が床に落下する。
聞いてはいけない質問をしてしまったようだ。
それほどショッキングなことがあったんだと予想できる。
「由良、ここで泣いちゃダメだよ。とりあえず水とジュースをあっちに置いてからトイレ行こ? そこでゆっくりと話聞くから、ね?」
ドリンクバーの前でしゃがみ込んで泣いたら、水やジュースを取りにきた他のお客さんに迷惑をかけることになる。
メイクが崩れた顔を再び私に向けてうなずく由良を立ちあがらせ、4人ぶんの水をグラスに入れたあと、それをたまたまトイレに行っていた秋帆にまかせてトイレに向かう。
もうひとつグラスを取り、そこに氷を何個か入れたあとにメロンソーダを入れる。
由良のほうに目を向けるが、トングを持ったまま硬直している。
「……由良、どうしたの?」
顔を覗かせて由良の表情を見てみる。
でも、その前に由良がバッと顔をあげて、涙目でこちらを見つめた。
「抹里……抹里ぃ……」
ひたすら私の名前を呼んだあと、由良はその場にしゃがみ込んだ。
それと同時に氷を掴んでいたトングが由良の手から落ち、氷が床に落下する。
聞いてはいけない質問をしてしまったようだ。
それほどショッキングなことがあったんだと予想できる。
「由良、ここで泣いちゃダメだよ。とりあえず水とジュースをあっちに置いてからトイレ行こ? そこでゆっくりと話聞くから、ね?」
ドリンクバーの前でしゃがみ込んで泣いたら、水やジュースを取りにきた他のお客さんに迷惑をかけることになる。
メイクが崩れた顔を再び私に向けてうなずく由良を立ちあがらせ、4人ぶんの水をグラスに入れたあと、それをたまたまトイレに行っていた秋帆にまかせてトイレに向かう。