誰も知らない彼女
心の中で思っていることを言わずに考えていると、スマホ越しで大きな音が響いた。
ガタンッ!
向こうで起こったことなのに、思わず肩を震わせながら身をのけ反らしてしまう。
『抹里、そいつだよ! ストーカーは朝丘だよ、間違いない!』
えぇっ。
ただ脳裏に若葉の姿が浮かんだから、適当に言ったのに。
まさかこんな適当に言ったことを簡単に信じてしまうとは、という驚きが襲う。
「いや、今のは冗談だよ。朝丘さんがそんなことをするわけが……」
『いいや、絶対に朝丘だね。私を含むクラスの女子大半に囲まれてる抹里に嫉妬して、あんな嫌がらせをしてるんじゃないの?』
「…………」
また最後まで言わせてもらえなかった。
本当は若葉がそんなことをするわけがないって言いたかったけど、また由良に言葉をさえぎられた。
でも、由良の言葉を否定することはできない。
私は若葉が視線の正体だと思いたくないけど、その可能性はゼロではない。
たぶん秋帆とネネとえるに聞いても、由良と同じことを言うんじゃないかな。
とくに秋帆は、絶対に若葉がなにか隠していると思うだろう。
由良が若葉が嫌がらせをしていると言うなら、こんなことも聞いてみようかな。
ガタンッ!
向こうで起こったことなのに、思わず肩を震わせながら身をのけ反らしてしまう。
『抹里、そいつだよ! ストーカーは朝丘だよ、間違いない!』
えぇっ。
ただ脳裏に若葉の姿が浮かんだから、適当に言ったのに。
まさかこんな適当に言ったことを簡単に信じてしまうとは、という驚きが襲う。
「いや、今のは冗談だよ。朝丘さんがそんなことをするわけが……」
『いいや、絶対に朝丘だね。私を含むクラスの女子大半に囲まれてる抹里に嫉妬して、あんな嫌がらせをしてるんじゃないの?』
「…………」
また最後まで言わせてもらえなかった。
本当は若葉がそんなことをするわけがないって言いたかったけど、また由良に言葉をさえぎられた。
でも、由良の言葉を否定することはできない。
私は若葉が視線の正体だと思いたくないけど、その可能性はゼロではない。
たぶん秋帆とネネとえるに聞いても、由良と同じことを言うんじゃないかな。
とくに秋帆は、絶対に若葉がなにか隠していると思うだろう。
由良が若葉が嫌がらせをしていると言うなら、こんなことも聞いてみようかな。