誰も知らない彼女
眉間にシワを寄せながら首をかしげる。
しかし、私の考えは由良の言葉によって、限界を超えた風船のようにパンッと割れてしまった。
『それよりもさ〜。秋帆たちに言ってなかったことがあるんだよね』
「えっ、そうなの?」
彼女の機嫌を損ねないよう、本心を隠して目をしばたたかせる。
由良は秋帆と性格が似ているから、てっきり思っていることを全部話してるのかと思ったけど、そうでもないのかな。
『じつは私、好きな人ができたんだよね……』
由良に好きな人ができた⁉︎
あまりに衝撃的な発言に、持っていたスマホを床に落としそうになる。
「えぇっ、そうなの⁉︎」
なんとか気持ちをおさえていたけど、声で感情があふれたのか、由良に『しーっ!』と注意された。
『もう、そんな大きな声で言わないでよ! 恥ずかしいじゃん!』
「ごめんごめん。だって、びっくりしたんだもん」
『……こんなこと言えるのは、親友の抹里だけだからね!』
ちょっとふてくされてる?
でも、顔を耳まで真っ赤にさせる由良の姿を想像するだけで笑ってしまいそうになる。
由良が私のことを親友だと思ってくれてると言われて嬉しいと思っている私がいた。
「応援するよ! 好きな人と付き合えるように全力でサポートするよ!」
声のボリュームを少し小さくして力強く言った。
『抹里、ありがと〜!』
結局この日は日付けが変わるころまで由良と電話で話していた。
しかし、私の考えは由良の言葉によって、限界を超えた風船のようにパンッと割れてしまった。
『それよりもさ〜。秋帆たちに言ってなかったことがあるんだよね』
「えっ、そうなの?」
彼女の機嫌を損ねないよう、本心を隠して目をしばたたかせる。
由良は秋帆と性格が似ているから、てっきり思っていることを全部話してるのかと思ったけど、そうでもないのかな。
『じつは私、好きな人ができたんだよね……』
由良に好きな人ができた⁉︎
あまりに衝撃的な発言に、持っていたスマホを床に落としそうになる。
「えぇっ、そうなの⁉︎」
なんとか気持ちをおさえていたけど、声で感情があふれたのか、由良に『しーっ!』と注意された。
『もう、そんな大きな声で言わないでよ! 恥ずかしいじゃん!』
「ごめんごめん。だって、びっくりしたんだもん」
『……こんなこと言えるのは、親友の抹里だけだからね!』
ちょっとふてくされてる?
でも、顔を耳まで真っ赤にさせる由良の姿を想像するだけで笑ってしまいそうになる。
由良が私のことを親友だと思ってくれてると言われて嬉しいと思っている私がいた。
「応援するよ! 好きな人と付き合えるように全力でサポートするよ!」
声のボリュームを少し小さくして力強く言った。
『抹里、ありがと〜!』
結局この日は日付けが変わるころまで由良と電話で話していた。