誰も知らない彼女
若葉サイドの女子の言葉に、由良がムッとしたのがわかった。
由良もなにか言うのかな?
「あんたらも人のこと言えないよ。自分たちの友達ばかりえこひいきしてないで、抹里の頑張りも褒めたら?」
でも、由良より早く秋帆が腕組みをしてさらに言い返す。
若葉サイドの女子が「うっ……」とうなるのを私は見逃さなかった。
友人のことばかり褒めて、友人以外のクラスメイトをまったく褒めないのは彼女たちも一緒だったようだ。
「ふん、まったくそのとおり。私たちと言い合うひまがあるなら、自分たちの改善点を見つけてみたらいいんじゃない〜?」
秋帆の隣まで来て、由良が彼女たちをきつく睨みつけた。
ふたりのメイクや態度のせいで怖いと思ったのか、若葉サイドの女子が顔面蒼白にしてあとずさった。
「こ、怖……!」
「きょ、今日はこのへんで許してあげる! また若葉のことを悪く言ったらただじゃおかないからね!」
ひとりが目を伏せて、もうひとりが必死に捨てゼリフを吐き捨てて若葉のほうへ戻った。
若葉サイドのふたりが戻ったあと、秋帆が顔を真っ赤にさせた。
「もう、なんなのよ! 性格ブスの朝丘をかばったってなにもいいことないのに!」
「あ、秋帆……もうちょっと声のボリュームを落としたほうがいいんじゃない?」
由良もなにか言うのかな?
「あんたらも人のこと言えないよ。自分たちの友達ばかりえこひいきしてないで、抹里の頑張りも褒めたら?」
でも、由良より早く秋帆が腕組みをしてさらに言い返す。
若葉サイドの女子が「うっ……」とうなるのを私は見逃さなかった。
友人のことばかり褒めて、友人以外のクラスメイトをまったく褒めないのは彼女たちも一緒だったようだ。
「ふん、まったくそのとおり。私たちと言い合うひまがあるなら、自分たちの改善点を見つけてみたらいいんじゃない〜?」
秋帆の隣まで来て、由良が彼女たちをきつく睨みつけた。
ふたりのメイクや態度のせいで怖いと思ったのか、若葉サイドの女子が顔面蒼白にしてあとずさった。
「こ、怖……!」
「きょ、今日はこのへんで許してあげる! また若葉のことを悪く言ったらただじゃおかないからね!」
ひとりが目を伏せて、もうひとりが必死に捨てゼリフを吐き捨てて若葉のほうへ戻った。
若葉サイドのふたりが戻ったあと、秋帆が顔を真っ赤にさせた。
「もう、なんなのよ! 性格ブスの朝丘をかばったってなにもいいことないのに!」
「あ、秋帆……もうちょっと声のボリュームを落としたほうがいいんじゃない?」