誰も知らない彼女
嫌味っぽい口調で会話している女子たちに、先生がホイッスルを再び鳴らした。
ピーッ!
「はい、じゃあ今日の日直さんは号令をかけてください」
先生の声で、私のクラスの日直の子と隣のクラスの日直の子が号令をかけた。
それと同時に4限がはじまるチャイムが体育館内に鳴り響いた。
チャイムの音が完全に館内から消えたタイミングで、先生が指示を出した。
「まずはふたりでペアを組んで、パスの練習をしてください」
先生の言葉で、用意されていたバスケットボールを手にしてみんなが一斉に散っていった。
もちろん私も由良と一緒にパスをするために、奥側に移動した。
私たちの行動を見た秋帆とネネとえるが同時に私と由良のほうにやってきた。
「抹里と由良、私とネネってのはいいんだけど、えるはどうすんの?」
「えっ……」
ボールを一回バウンドさせたところで秋帆がえるに視線を向けた。
この秋帆の言葉で、えるだけでなくここにいる全員が黙り込んでしまった。
しばらくそうしたあと、由良がなにかを思いついたかのような顔をした。
「あっ、そうだ。えるはいっちゃんと組んだらいいんじゃない?」
「たしかに! いっちゃんと組みなよ!」
由良の明るい声にネネも反応する。
ちなみに由良とネネが言った“いっちゃん”というのは、私の隣の席の子のことだ。
ピーッ!
「はい、じゃあ今日の日直さんは号令をかけてください」
先生の声で、私のクラスの日直の子と隣のクラスの日直の子が号令をかけた。
それと同時に4限がはじまるチャイムが体育館内に鳴り響いた。
チャイムの音が完全に館内から消えたタイミングで、先生が指示を出した。
「まずはふたりでペアを組んで、パスの練習をしてください」
先生の言葉で、用意されていたバスケットボールを手にしてみんなが一斉に散っていった。
もちろん私も由良と一緒にパスをするために、奥側に移動した。
私たちの行動を見た秋帆とネネとえるが同時に私と由良のほうにやってきた。
「抹里と由良、私とネネってのはいいんだけど、えるはどうすんの?」
「えっ……」
ボールを一回バウンドさせたところで秋帆がえるに視線を向けた。
この秋帆の言葉で、えるだけでなくここにいる全員が黙り込んでしまった。
しばらくそうしたあと、由良がなにかを思いついたかのような顔をした。
「あっ、そうだ。えるはいっちゃんと組んだらいいんじゃない?」
「たしかに! いっちゃんと組みなよ!」
由良の明るい声にネネも反応する。
ちなみに由良とネネが言った“いっちゃん”というのは、私の隣の席の子のことだ。