あずゆづ。
「待ぁてコラアアア!!!」
しかし、間もなくして後ろからものすごい怒号が聞こえ、振り返ると。
「きゃーーー!? なんで追いかけてくるの!?」
そこには鬼の形相をしたゆづくんが、
同じく全速力で私を追いかけてきていた。
「てめえが逃げるからだろ!!」
「いやあああ!!!」
いや、嫌なんかじゃないけど!!
とりあえず今のゆづくんの顔今までで一番怖い……っ!!!
「なんで逃げるんだよ!!」
「わかんないよおお!!!」
階段を上ったり降りたり、廊下を駆け抜け。
最後に行き着いたのは
いつもゆづくんと昼休みを過ごしていた校庭の、あの大きな木の下だった。
「………はあ、はあ…!!」
もう、体力の限界……!!
思わず立ち止まり、膝に手をついて大きく深呼吸をしていたときだった。