あずゆづ。

バカでもメガネでもブスでも、もう何でもいい!!

だってゆづくんを目の前にしながら

存分にスケッチができるんだもの!!

夢にまで見たパーフェクトマッスルを前にしながらじっくりスケッチできるのよ!?

これ以上ないチャンス!!

これ以上ない幸せ!!

お母さん産んでくれてありがとう!
私きっとこの日のために生まれてきた!!


「ありがとうゆづくん…そしてゆづくんも生まれてきてくれてありがとう~…!!」

「……大ゲサなんだよ」


チッと舌打ちをしたゆづくんは、そういえば、と再び不思議そうに私を見た。


「……俺、何してればいい」


うわああ、描かせてくれる気満々なゆづくん!!

普段口がすごーく悪い癖にきょとんとして聞いてくるという、そういう所かわいいよ!!!


私は体育座りをしてまだ何も書いていない、白紙のページを開いて膝の上に乗せ、右手に鉛筆をぎゅっと握りゆづくんを見た。


「そのまま、パン食べててくれたらそれでいいです」

「……そか」


少し目を細めて、再び遠くにある花壇に視線を戻すゆづくん。

もしゃもしゃとパンを食べる姿もなんか可愛く見えてしまった。


「………」


私は、ゆづくんのパーフェクトマッスルへと全神経を注ぎ、スケッチブックに鉛筆を走らせた。

はあ………素敵!!!

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