過保護な騎士団長の絶対愛
「ヒラヒラしたドレスがどうしても心地悪くて……それにユダ王子は多分私と違ってもっとおしとやかな女性がいいと思うの」
ララは王族の女性でありながら、いわゆるお姫様ドレスが大の苦手だった。コルセットをして長時間締め付けられて、耐え難いにもほどがあった。そんな理由でララはとっとと抜け出して着慣れた服に着替えて今に至るというわけだ。
「それに、ほら、あそこ見て」
ララが三階の窓の外から庭先を指差す。
丁寧に剪定され、薔薇や百合などが艶やかに咲き誇る中、ひょろっとした色白の男性が見えた。メガネをかけ、正装をしているがどことなく頼りない雰囲気が漂っている。きょろきょろと辺りを見回しながらララを探しているようだった。
「ララ様ぁ、どこですかー? 紅茶でも飲みながらお話ししませんかぁー!」
精一杯はりあげるその声も哀れに感じてしまう。かろうじて三階まで声は届いていたが、ララの心までは届かなかった。
「お花の咲いた庭先で、お紅茶飲んでオホホホって……あぁ~寒気がする! いきなり手をつないできたから逃げてきちゃったの……って、どうしたの? そんな怖い顔しちゃって」
「え、あぁ、いえ……なんでもありませんよ」
何か気に食わないことを聞いたように、ユリウスの眉が一瞬跳ねた。それを見たララは怪訝な顔でユリウスを覗き込んだが、彼はすぐさま軽く首を振った。
ララは王族の女性でありながら、いわゆるお姫様ドレスが大の苦手だった。コルセットをして長時間締め付けられて、耐え難いにもほどがあった。そんな理由でララはとっとと抜け出して着慣れた服に着替えて今に至るというわけだ。
「それに、ほら、あそこ見て」
ララが三階の窓の外から庭先を指差す。
丁寧に剪定され、薔薇や百合などが艶やかに咲き誇る中、ひょろっとした色白の男性が見えた。メガネをかけ、正装をしているがどことなく頼りない雰囲気が漂っている。きょろきょろと辺りを見回しながらララを探しているようだった。
「ララ様ぁ、どこですかー? 紅茶でも飲みながらお話ししませんかぁー!」
精一杯はりあげるその声も哀れに感じてしまう。かろうじて三階まで声は届いていたが、ララの心までは届かなかった。
「お花の咲いた庭先で、お紅茶飲んでオホホホって……あぁ~寒気がする! いきなり手をつないできたから逃げてきちゃったの……って、どうしたの? そんな怖い顔しちゃって」
「え、あぁ、いえ……なんでもありませんよ」
何か気に食わないことを聞いたように、ユリウスの眉が一瞬跳ねた。それを見たララは怪訝な顔でユリウスを覗き込んだが、彼はすぐさま軽く首を振った。