過保護な騎士団長の絶対愛
 ユリウスがララを庇ってガイルが発砲した銃弾に倒れた時、モリスは、一瞬、銃殺されたと思ったが、流血がないことに気が付いた。そして、きっとこの男は生きている。そう確信した後、今はふたりだけにしておこうと、その場をあとにしたという。

 モリスが大きくため息をついて腕を組むと少し重たげに口を開いた。

「ユリウスを愛しているのか? ここへ呼んだのは、お前の口から本心を聞こうと思ってな」

 いつにも増して真剣な視線が投げかけられる。恥ずかしがって誤魔化している場合ではない。ララは意を決すると言った。

「はい。ユリウス以外の殿方を愛することも、ユリウス以外の殿方から愛を受けることも、私には考えられません」

「そうか……」

 おそらく、ララはそう言うだろう。そうわかっていたようにモリスはさして驚いた様子も見せなかった。

「父上、ユリウスと婚儀をお許しくださいませんか?」

「なっ……」

 するとモリスが柄にもなく、ララの突然の申し出に困惑する。今まで全く恋愛にも結婚にも興味のなかったララの口から婚儀という言葉が出て、今度ばかりは驚きを隠せなかった。そして短いようで長い沈黙がふたりの間に降り注ぐ。

「ユリウスは、コルビスの王女を身を挺して救った。しかし、それは守護騎士としては当たり前のこと……婚儀を交わしたいという気持ちもわかるが……それはならん」

「どうしてっ!?」

 父ならわかってくれると思っていた。


ララはモリスの言葉に失望と絶望の冷水を浴びせられた気になった。
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