過保護な騎士団長の絶対愛
「私は、ララ様のすべてを愛しております。ガイルに撃たれ、この命は一度失ったようなもの、生きながらえたということは、私にはまだ役目があるということです。陛下、私にララ様を幸せにするお許しを」

 一寸の濁りもないそのアイスブルーの双眸に、嘘偽りがないかとモリスは見定めるように見据えながら、モリスは低く唸る。

「ララ様、王位継承権を私などのために放棄する必要はありません」

「え……? でも」

「私がララ様に似つかわしい男になればいいだけの話」

 いったいどういうことなのかと、ララがユリウスを不安な目で見る。すると、ユリウスはすっと立ち上がって自分の手のひらにララの手をそっと乗せた。

「ヴァニスを再建します。私がこの手で。国王を失った今、ヴァニスは混沌としています。このままでは、今後他国にも影響を与えてしまう。ヴァニスは仮にも私の祖国です。なんの罪のない民が、父の不徳で苦難を強いられているならば、王族であった私が彼らを救わなければなりません」

 凛然としたそのユリウスの姿に、ララは恍惚として見つめた。

「ユリウスよ、ならばお前に三年の猶予をやろう。三年の間にヴァニスを立て直し、我が娘を迎えに来るとよい」

 それは、ユリウスが国王となった暁には、ユリウスとの結婚を認めるということだ。

「ただし、その間、ララに会うことは許さん」

「え……そんな、父上……」

 厳しい口調で言われてしまえば、それは絶対だ。ユリウスとの結婚は認められた。けれど、三年もの間、ユリウスに会えなくなると思うと不安と寂しさがこみ上げる。

「ララ様、どうか私が迎えに来るまでお待ちいただけますか? あなたにふさわしい男になって必ずあなたを迎えに来る」

 ユリウスの真摯な眼差しを受けると、ララの不安も一瞬でかき消される。しょんぼりした顔を見せたくなくて、ララはにこりとユリウスに微笑んだ。

「えぇ、当り前よ。ずっとずっと待ってる」

 ふたりは誓いをモリス王の前で交わした。

 そして、ユリウスは一日でも早くララを迎えに戻りたいと言わんばかりに、翌日コルビスを発った。
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