過保護な騎士団長の絶対愛
 そして時がめぐり、ちょうど三年が経った頃。

「暇ねぇ……」

 ララは春の陽気に自室で窓の外を眺めながらぼんやりとしていた。

 この三年、いつユリウスが迎えに来てもいいように、ララは花嫁修業に精を出していた。といっても家事をするというわけではなく、正妃となるための社交場のマナーや知識などを身に付けるためのものだ。ユリウスに勉強を教えてもらっていた頃が懐かしい。

 三年経ったララは、少し大人びて、今や落ち着きのなかったおてんばな素振りもない。

 ユリウスが在籍していた騎士団長の座は、今はユリウスの腹心だった部下が担っている。万が一、ヴァニス再建に失敗してもコルビスに戻ってくる場所はないのだ。それに、ユリウスを待っている間にも、隣国の王太子がこぞって結婚を申し込みに来ていた。毎日のように断りの返事をし、そろそろうんざりしてきたところだった。

 すると、その時ドアがノックされてドアの向こうでステイラの声がする。

「ララ様、シナリス王国の国王様が直々にララ様にお会いしたいと、謁見の間にてお待ちです」

「あ~もういいの、結婚の申し込みなら断るわ」

 ドアが開けられる前にララは鬱陶しそうに返事をする。

「ですが、今回ばかりはお断りしてしまうと後悔なさるかと……」

 ステイラが恭しくドアを開けて部屋に入る。ララはハァっとため息をついて言った。

「わかったわ、そこまで言うなら今から謁見の間に行く」

「その前に、お召し物をお着替えになった方がよろしいかと、あと、お化粧も」

 どことなくそわそわしているようなステイラに、ララは訝しげにステイラをじっと見る。
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