過保護な騎士団長の絶対愛
 三年前。


 ユリウスが数年ぶりに戻ったヴァニスは荒涼としていた。国そのものは滅びたものの、ヴァニスの国民だった民がまだ細々とその地を離れずに暮らしていた。

そんな様子を見て、ユリウスは自分のなすべきことを考えていると、元ヴァニス城の兵士や侍女たちと偶然に出会うことができた。ヴァニスを立て直すというユリウスの意向に、彼らは賛同し、少しずつ、国民の信頼を取り戻していった。

ユリウスは、長い月日をかけて国民と共に復興活動に勤しみ、建国するための礎を築いた。

 山脈からの雪解け水を王都へ用水路として水を引き、土に生気を蘇らせると作物が豊富に収穫できるようになった。

荒れた土地も徐々に活気を取り戻し、国民の生活も豊かになると、虚ろな表情だった人々にも笑顔が戻って、次第に王都全体が明るくなっていった。

 他国へ移住していった元ヴァニスの住人も、シナリス王国として生まれ変わった祖国に舞い戻ろうと、徐々に人口も増えていった。

 今、シナリス王国はコルビスに劣らないほどの国へ急成長している。

 そんな中、ユリウスはララに会えない分、彼女からもらった懐中時計を握り締め、どんなに辛いことがあろうとも乗り越えてきた。

 そして、“平和”という願いをこめてシナリス王国と名前を改め、国王ユリウス・メルヴィン・スティーガが誕生したのだ。
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