過保護な騎士団長の絶対愛
「ッ――!」

 口づけで口を塞いでいなければ、あまりにも咄嗟のことにララは悲鳴を上げていただろう。

 ユリウスの大きな手が、熱を孕んだ熱い唇が身体中を這いまわる。思わず出てしまいそうになる声を、ララは手の甲を噛んで必死に堪えた。

ユリウスは自分でも見たことのない、そして触れたこともないような箇所に触れてくる。

扇情的な乱れるララの息づかいが、一層ユリウスを誘惑する。

「ララ……痛かったら、思い切り俺の背中に爪を立ててくれ」

「え……? ユリウ……ッ!」

 ふわふわとした感覚の中で、身体を引き裂くような熱い塊にとうとうララは悲鳴を上げた。

「っ……愛してる、愛してる」

 ユリウスは身体を揺らしながら、浮かされたようにララに愛をささやく。しかし、ララは容赦なく襲いかかる痛みに、ただ唇を噛んで涙さえ拭うことすらできなかった。

「ユリウス……ユリ、んッ」

 狂おしいほどに荒々しく口づけられ貪り、時に蕩けるように啄まれる。

そんな抑揚に身体が骨から燃えていくようだった。

いつも冷静で穏やかなユリウスの中に、こんな獰猛な一面があるのかと思うと、それを知っているのは自分だけだという優越感に浸る。しばらくすると、すべてを奪うような痛みの中からジンとした甘い痺れがこみあげてきた。

「あなたを、俺の腕の中に収めてずっとこうしたかった……!」

 互いの熱い吐息と、乱れた息づかいがまるで媚薬のように身体に染み渡っていくようだった。
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