過保護な騎士団長の絶対愛
「でも、私には姉がふたりいるのよ? どうして第三王女だってわかったの?」


 ララはきょとんとしてファビオに尋ねる。すると、そんなララにファビオはクスリと笑った。


「本当のことを言うと第三王女、というのは私の勘です。あなたのような美しい女性に出会えてよかった」

「では、あなたのその仮面も外して、素顔を見せて?」


 自分ばかり素性が知れてしまっては不公平だ。ララはファビオの仮面に手をかけると、ファビオはその手をそっと掴んで握った。


「私の素顔を見るということは、私を受け入れてくれると理解してよろしいのですか?」

「え……?」


 素顔を見るのにどうしてそうなるのか、ララはそう言われて躊躇した。男女の暗黙の了解など知らない。色恋のいろはなんてわからない。


「あの……手を離して」


 ぐっと、握る手に力をこめられてララは怖くなった。顔を背けてファビオから距離をとろうにも、腰に手を回されて身動きが取れない。


「あぁ、そうやって困っている顔もそそられる」

「やめて!」


 ララが震える声を振り絞り、声を荒げる。


「あなたが気に入りました。必ず私のものにしてみせます」

「っ!?」


 ファビオの口調は物腰柔らかだったが、瞳の奥は笑っていない。ララはぞっと身の毛がよだった。


 すると、ファビオに身体を引き寄せられて口づけを迫られる。


「い、いやッ!」

「女性が嫌がることを強制するなど、男の風上にも置けないやつだな」


 すると、芝を踏み鳴らす音とともにもうひとつの人影が現れて、ララとファビオはその方に視線を向けた。
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