過保護な騎士団長の絶対愛
「お願い、やめて」


 ララの震える声にレオンが一瞬隙を見せると、ファビオは声を上げて再び切りかかる。


 レオンは瞬時に自分の剣を抜いて、振り下ろされたファビオの鋭く光る剣の腹を素早く受ける。


「くっ……」


 キンッという甲高い金属音が夜闇に響き渡り、互いに視線で牽制し合いながら隙を探る。


 ファビオの振り下ろした剣はずしりと重く、ふっと笑って挑戦的な視線をレオンに投げかけてきた。


 軽くあしらえる相手ではない。


 そう直感したレオンは剣を握りなおす。


「申し訳ありません。戦わなければ、守れないこともあるのです。どうかお下がりください」


「え……?」


 その口調は、ララにとある人物を彷彿とさせた。仮面を被っているせいで、素顔はわからないが、目の前の男の雰囲気がどことなくユリウスに似ていた。


 ララはレオンに言われた通りに数歩身を引く。


 ふたりが何度も剣をぶつける姿を何もできないまま、ただ見ているだけしか術がないのが歯がゆい。ララはごくりと生唾を幾度となく呑み込む。


 細く鋭利な光が弧を描いて飛び、レオンが大きく剣を振り切ると、ファビオは大きく後ろに飛びずさり、体勢を立て直した。
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