過保護な騎士団長の絶対愛
「ふぅん、なかなか剣の立つ男だな」


「なめてもらっては困るな」


 ファビオが鼻を鳴らす。レオンは指を巧みに動かして、片手で剣を大きく回転させた。そして、空を切って剣を勢いよく振ると、両手で柄を握り剣を構えなおした。


「その構え……」


 すると、ファビオは一瞬、目を見開きその構えをじっと見据えた。


「ほぅ……なるほど」


 ファビオはまるで面白いものを見たかのようにクスリと笑った。


「その剣の構え方……くくく、そうか」


 ファビオはひとりで納得したようにひとりごちる。


「なにが言いたい……ッ!」


 小気味悪いファビオの笑みにレオンがぐっと眉をひそめる。すると、ファビオが剣を振りかぶり、足を大きく踏み込みながら間合いを詰めてきた。


 近距離でぶつかり合う視線が火花を散らす。互いに互いの剣を受けながら、ファビオがララに聞こえないくらいの小声でレオンに囁いた。


「ヴァニス王族にしか許されていない剣の構えを、どうしてお前が知っている?」


「っ――!」


 それは一瞬の動揺だった。レオンは、その言葉に目を見張ると振り下ろされたファビオの剣を避けきれず、その剣先がレオンの右腕を掠った。


「ぐっ……」


「レオン!」


 慌てて歩み寄るララをレオンは左手を出し、こちらへ来るなと制した。
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