過保護な騎士団長の絶対愛
「いいのよ、こんなハンカチよりもあなたが心配、私のせいで……ごめんなさい」


 視界がぼやけて目頭が徐々に熱くなる。


「顔をあげてください」


 ララが顔を上げると、仮面をつけたその瞳が薄布越しにララを優しく見据えていた。


 この人の素顔が見てみたい――。


 そんな衝動に駆られるが、彼に無礼になるのではないかと不安がよぎる。


「大丈夫?」


「あぁ、そんな泣きそうな顔しないでください。女性を守るために負った傷は栄誉なことです」


 レオンに優しく言われると、ララの瞳から堪えきれなくなった雫がこぼれた。レオンはそれを愛おしそうに親指でそっと拭った。


 初めて会った人だというのに、ララはレオンに心地よさを覚えた。すると、レオンがそっとララの髪飾りに触れる。


「白い花は、本当にあなたの髪によく似合う」


 ――その白い花はララ様の髪によく似合う。


 ふと、ユリウスに言われた言葉と重なる。ララの胸にぽっと温かなものが広がっていく。


「先ほどダンスをご一緒していただいて、ありがとうございました」


 レオンが目を細めて柔らかくララに笑いかける。
< 87 / 203 >

この作品をシェア

pagetop