過保護な騎士団長の絶対愛
「ねぇ、私、あなたもう一度ダンスをしたいと思っていたの」


「え……?」


「だから、私ともう一度踊って欲しいんだけれど……ほら、遠くで音楽が聞こえるでしょう?」


 耳に手をあてがい、目を閉じるとかすかに軽快なダンスの音楽が城から聞こえてくる。気が付くと、ずいぶん城から離れた庭園に来てしまった。まさか、こんな人気のないところにレオンが通りすがるなど、ララはその偶然に感謝した。


「腕、痛む?」


 眉尻を下げ、心配げなララにレオンは静かに首を振った。


「あの、よければ仮面を外してはくれない? あなたの素顔が見たい……だめ?」


 目元のわからないレオンからは、どんな表情をしているか窺い知れない。


「あなたに素顔を見せるほどの者でもございません。けれど、私とダンスをもう一度お付き合いいただけますか?」


「え……?」


「私も、あなたともう一度ダンスをご一緒したいと思っておりました」


 ララの腰にそっとレオンの手が回されると、思わずびくっと身体が跳ねる。それが恥ずかしくて、ララは少し俯く。


「私の手を取ってください」


 レオンにエスコートされるように、ララが軽くレオンの手を握った。それに応えるようにレオンの手がやんわりと力をこめた。
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