王太子殿下は無垢な令嬢を甘く奪う
それはまるで、ウィルとマリーの関係を写したかのようだった。
マリーも、ウィルとは結ばれないのだと悟っても、ここにある気持ちだけは未来永劫に変わらないと思った。
エルノアを想うライアンもまた、悲恋を抱いていたらしいと聞くと、その彼のことは知らなくてもマリーは心をぎゅっと絞られるように苦しくなった。
ミケルがエルノアにハンカチを差し出すものの、ライアンのことを思っているのか、エルノアは顔を覆ったまま泣き止む様子はない。
「エルノア、聞いてくれ」
そこにウィルは静かな声を落とした。
「君の兄が爵位を失えば、君は階級のないただの娘になる。それがどういうことかわかるか?」
諭すようなウィルの言葉に、エルノアはにわかに静かになる。
「身分差に阻まれることなく、君をオネット侯爵家の花嫁として迎え入れることができる」
「わ、わたくしは、貴方と……」
涙に濡れた顔を上げるエルノアの口唇は震えていた。
マリーも、ウィルとは結ばれないのだと悟っても、ここにある気持ちだけは未来永劫に変わらないと思った。
エルノアを想うライアンもまた、悲恋を抱いていたらしいと聞くと、その彼のことは知らなくてもマリーは心をぎゅっと絞られるように苦しくなった。
ミケルがエルノアにハンカチを差し出すものの、ライアンのことを思っているのか、エルノアは顔を覆ったまま泣き止む様子はない。
「エルノア、聞いてくれ」
そこにウィルは静かな声を落とした。
「君の兄が爵位を失えば、君は階級のないただの娘になる。それがどういうことかわかるか?」
諭すようなウィルの言葉に、エルノアはにわかに静かになる。
「身分差に阻まれることなく、君をオネット侯爵家の花嫁として迎え入れることができる」
「わ、わたくしは、貴方と……」
涙に濡れた顔を上げるエルノアの口唇は震えていた。