王太子殿下は無垢な令嬢を甘く奪う
「あとは、……自分をこの世の誰よりも愛してくれている王太子殿下の愛に応えたい、とかかな……」


 マリーをぐっと抱き寄せ、ウィルはにわかに色香を揺らした双眸を傾け口づけを落とす。

 誰もいなくなったとはいえ、別の誰かが顔を覗かせないとも限らない王城内。

 少し離れたところから聴こえる音楽隊の曲に紛れて、ふたりの間ではしっとりと濡れた音を奏でる。

 もう何度口づけを交わしただろうか。

 互いに初めての行為だったのに、今となっては口唇の形は互いのものとぴったり合うような気さえする。

 それが心地よいと思うようになったマリーは、ウィルの手引きによって自分が新しく変化していることに喜びを感じていた。




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