甘きゅん恋愛のすすめ
「ふわ子」
名前を呼ぶと、猫は俺の手に体を擦り付けながらゴロゴロと喉を鳴らした。
「あーあ。これみんなが見たらびっくりするよ?」
いつの間にいたのか、教室の入り口で俺と猫のじゃれあいを、呆れた様子で謙が見ていた。
「……別にいいだろ」
俺の好みなんて、俺の勝手だ。
他の奴らには関係ない。
「その顔で猫好きって」
「顔は関係ないだろ」
謙を無視して猫を触っていると、気づけば机の上で丸くなっていた。