君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
「教王様と二人きりで……お話しすることはできないだろうか?」
「レイ様と!?」
『無礼な厚顔者』と言われかねない、危険で大胆な要望だった。

「私にはなんの権限もありませんので……。それに、今はレイ様も……ちょっとご都合が悪いかと……」
「それって、ご病気のこと?」
「えっ!?」
表沙汰になってはいけない案件だ。動揺が顔に出ないよう取り繕う。

「噂になっているよ。深夜にカドラス様とバルト先生が呼び出されたって。それから誰も教王様をお見かけしていないし」
「レ、レイ様はお元気です。今もレイ様のご命令でカドラス様の所へ行って来たばかりです」

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