君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
いいように利用した教王庁。
何も気付かない愚鈍な自分。
怒りの激情に流されそうだった。
(アルベール様も。だから、あんな事を……?)
求めていると。
情欲に溺れている女だと思ったのだろうか。
そんな女に成り下がったと納得されたのがショックだった。
(……もうここにはいられない)
二人がいなくなるのを、影に潜んで待つ。
一秒でも早く、カドラスの執務室に向かいたかった。
普段はノックをするのにも勇気がいるのに、今なら飛び込んで行けそうな気がする。
二人が隣室に移ったのを確認し、出口に向かって駆け出した。
『優雅に振る舞いなさい。もっとおしとやかに』
母親の言葉が聞こえた気がした。
何も気付かない愚鈍な自分。
怒りの激情に流されそうだった。
(アルベール様も。だから、あんな事を……?)
求めていると。
情欲に溺れている女だと思ったのだろうか。
そんな女に成り下がったと納得されたのがショックだった。
(……もうここにはいられない)
二人がいなくなるのを、影に潜んで待つ。
一秒でも早く、カドラスの執務室に向かいたかった。
普段はノックをするのにも勇気がいるのに、今なら飛び込んで行けそうな気がする。
二人が隣室に移ったのを確認し、出口に向かって駆け出した。
『優雅に振る舞いなさい。もっとおしとやかに』
母親の言葉が聞こえた気がした。