君のために未来を見よう〜教王様の恩返し〜
「ひどい顔だよ、フィー」
言葉とは裏腹な眼差し。
「……レイ様もです」
思いがけない憎まれ口にフィーも軽口で返す。
きっと今は泣き笑いのような表情をしているだろう。
「私、カドラス様にご報告して参ります」
涙をぬぐって立ち上がる。
「フィー」
ドアに向かう背中に声がかかった。
「心配かけてすまなかった。また、借りを作ってしまったね」
「また?」
そんなことあっただろうか。
「この借りは必ず返すから」
「そんなこと……。こうしてレイ様が元気になられただけで十分です。なにもいりません」
フィーの足は自然とかけ足のようになり、カドラスの部屋へ向かっていた。
この吉報を早くお伝えしたい。
みんなでこの幸せを分かち合いたかった。
言葉とは裏腹な眼差し。
「……レイ様もです」
思いがけない憎まれ口にフィーも軽口で返す。
きっと今は泣き笑いのような表情をしているだろう。
「私、カドラス様にご報告して参ります」
涙をぬぐって立ち上がる。
「フィー」
ドアに向かう背中に声がかかった。
「心配かけてすまなかった。また、借りを作ってしまったね」
「また?」
そんなことあっただろうか。
「この借りは必ず返すから」
「そんなこと……。こうしてレイ様が元気になられただけで十分です。なにもいりません」
フィーの足は自然とかけ足のようになり、カドラスの部屋へ向かっていた。
この吉報を早くお伝えしたい。
みんなでこの幸せを分かち合いたかった。