いじめっ子には愛の鉄槌を
笑顔で階段を上った。
そして、笑顔で扉を開けた。
そんな幸せいっぱいのあたしを待ち構えているのは……
顔を歪めて腕を組む、超不機嫌そうな淳太君だったのだ。
扉を開けた瞬間、般若のような淳太君が見えた。
だからそーっと扉を閉めようとしたが……
「のび華」
低い声で呼ばれ、ぐいっと部屋の中に連れ込まれる。
こんな状況なのに、淳太君が掴むあたしの腕が熱すぎて、顔を真っ赤にして俯いた。
どうして晴哉さんではドキドキさえしないのに、淳太君だとこうなってしまうのだろう。
その顔を見るだけで胸が熱くなって、触れられると焦げそうになって、心臓止まりそうになる。
そんなあたしに、淳太君は追い討ちをかける。