いじめっ子には愛の鉄槌を






笑顔で階段を上った。

そして、笑顔で扉を開けた。

そんな幸せいっぱいのあたしを待ち構えているのは……

顔を歪めて腕を組む、超不機嫌そうな淳太君だったのだ。





扉を開けた瞬間、般若のような淳太君が見えた。

だからそーっと扉を閉めようとしたが……



「のび華」



低い声で呼ばれ、ぐいっと部屋の中に連れ込まれる。

こんな状況なのに、淳太君が掴むあたしの腕が熱すぎて、顔を真っ赤にして俯いた。

どうして晴哉さんではドキドキさえしないのに、淳太君だとこうなってしまうのだろう。

その顔を見るだけで胸が熱くなって、触れられると焦げそうになって、心臓止まりそうになる。

そんなあたしに、淳太君は追い討ちをかける。


< 114 / 239 >

この作品をシェア

pagetop