いじめっ子には愛の鉄槌を





俯くあたしに、晴哉さんは言う。





「桃華ちゃん、淳太のこと好きなんでしょ?」



「……え!?」




思わず上げた顔は真っ赤だった。

そんなあたしを、晴哉さんは相変わらず穏やかな顔で見る。





「淳太を見る桃華ちゃんの目で、すぐに分かったよ。

桃華ちゃんはいい子だから、僕は本気で付き合いたかったんだけど」



いつまでも優しい晴哉さんに、



「ごめんなさい」



あたしは謝る。


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