長男・長女の恋模様―真面目×真面目=?!?
「そうか、やっぱり大変か。行きたかったんだけど……」
シュンとする姿は大型犬ががっくり項垂れてるみたいに悲しげ。
「悠斗さん、なにも朝から行かなくても良くないですか?」
私の言葉にバッと顔を上げた悠斗さんに私はニコッと笑顔で告げた。
「まだまだ休みはありますし。翌日に響いても問題ないから、ゆっくりうちで過ごしてから夕方からのパスで行きませんか?」
そんな私からの提案に、悠斗さんはウキウキとした顔をしている。
「私たち、大人ですしね。良いと思いませんか?夕方からなら少しは涼しくなりますしね」
この提案に、悠斗さんが飛びついて賛成したので明日は夕方から有名テーマパークに行くことに決まった。
どうやら今年はぐうたら夏休みじゃなくて活発な夏休みになりそうである。
「悠斗さん、意外と活発ですね。どちらかと言えばインドア派だと思ってました」
私がクスッと笑って言うと、ちょっと頬を赤らめて悠斗さんは言った。
「普段はインドアな方だけど、梨乃とは色んなところに行きたいんだ。ずっとあれこれ考えてたから」
ズキューンと胸を撃ち抜かれたのは、しょうがないでしょう。
だって、大人な悠斗さんが、あのイケメン悠斗さんがそんな頬を染めて可愛いこと言ったら……。
撃ち抜かれた。
無自覚のイケメンの行動はすごい!
こんなんじゃ、私の心臓いくつあっても足りないよ。
私は、そっと息を吐き出しつつ明日のためにノートパソコンでテーマーパークについて調べ始めた彼にくっついてあれこれと話し始めたのだった。