ミラートリック~キミの優しすぎる愛に溺れる~
これ以上、同じ日々を繰り返しても・・・

ただ自分を嫌いになるだけで、苦しいだけ。

姉は、彼に本当のことを話すか悩んだ。

だけど、言えなかったらしい。

やっと掴んだ幸せを、自分の手で壊したくなかった。

そんな自分のことを、姉は我が儘だね。と綴っていた。

そして好きで、大切で、愛おしい彼からも、彼を通じて出会った人たちとも、離れることを決めた。

もう彼にも、彼らにも、嘘を重ねたくない。

だから姉は、自ら偽りの自分を消すことにしたんだ。

本当の自分、イチとしての人生を歩むために・・・

手紙と一緒に、スターチスの花が入っていた。

スターチスを見て、姉がどこに居るのか?

妹には、すぐに分かった。

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