恋する病棟、24時
「何でそんなこと……」
そう尋ねると彼のレーザービームのような視線が焼け付くほどに私に向けられた。
暗い車内でもハッキリと認識出来るその端整な顔で、彼はとんでもないことを口にした。
「好きだからです、君が。ずっと見てました」
な、何だって?
「す、好きって、え? 氷川先生が私を?」
「はい、だからそれが西原さんの本心じゃなかったとしても嬉しかったんです」
思考が追い付かないどころかこれは夢なんじゃないかと錯覚してくる。だってあの氷川先生が私のことを好きだと言っているのだ。
誰もが憧れているだろうクールで知的でイケメンな彼が、少し頰を赤くして私を口説いているのだ。
どうしよう、体が熱い。
「昨日、仕事が駄目でも恋人がいたら大丈夫だと漏らしてましたけど、あれは本音ですよね」
そんなことも言っていたかもしれない。
「良かったら俺にその手助けをさせてくれませんか? あの時俺の名前を出したってことは悪くは思ってないんですよね」
「そ、それは、むしろ好意的っていうか!」
「じゃあ、俺じゃ駄目ですか?」
彼が運転席から体を乗り出して私に顔を寄せる。