恋する病棟、24時



え、と反応する前にスタスタ歩き出してしまう彼のあとを慌てて追った。
すると地下の駐車場に降りるとそこには見るからに高価そうな車が一台停まっていた。もしかしてこれって外車なんじゃ……

氷川先生は当たり前のようにその車の助手席のドアを開けるので促されるまま乗り込んだ。ふわふわとした座席なのに全然心が落ち着かない。
暫くすると反対側から運転席に乗り込んだ氷川先生の運転で車が動き始めた。

運転に集中しているのか氷川先生は何も話さず、私も案内以外の言葉を発しなかった。
何がどうなってこんなイケメンが運転する助手席に乗っているんだろう。


「(いい男がいい車を運転するって絵になるな)」


長かったのか短かったのか、私の暮らすマンションに着くと彼は一度エンジンを切った。
話を切り出すとしたらここしかない。


「あ、あの、昨日は本当にすみませんでした!」


そう頭を下げると普段ポーカーフェイスの彼の瞳が軽く見開いた。


「みんなから聞きました、酔い潰れてた私を介抱してくれたって。その上とんでもないことを口にしてしまって……」

「……」

「その、あれは酒の勢いでして今回の告白は」


なかったことに、と続けようとすると彼は口を開いた。


「分かってました、別に西原さんはそんなつもりじゃなかったってこと」

「え?」

「でも俺はそれでもいいと思ったから了承したんです」

彼の言葉に思考が追いつかない。



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